子育て中に思うこと

ちょっと聞いてもらいたいこと

「叱らない子育て」に対して思うこと その1

古い話になりますが、私は子どもを授かったとき、一通り育児書なるものに目を通しました。

目を通すことが必要かどうかはわかりませんが、当時も今も通勤していて通勤途中や昼休みなどに本や音声で気になっていることを読んだり聴いたりしています。

 

当然、育児書通りに子育てが進行していくわけではなく、参考にするというのも難しいのですが、知識を頭の片隅に置きつつ自己流子育てで進めています。

私の想像では、ほとんどのお母さんがそうであると思います。

 

よく耳にする「叱らない子育て」というのがあります。

これについて私は何人ものお母さんに疑問を感じたことがあります。

そのいくつかを振り返りたいと思います。

 

まず一つ目ですが、これは我が子に関することなので一番疑問に感じた出来事でした。

 

幼稚園から一緒の男の子と我が子はお友だちでした。その男の子には2つ年下の弟がいます。

我が子はその兄弟と一緒に遊ぶことが多く、家も近かったので通園も自然と同じになりました。

 

幼稚園からの帰り道、必ず我が家によって帰らない男の子。うちの駐車場や玄関前、小さな庭に勝手に入り、何時間でも帰らないということが続いていました。

「この後、用事があるから」と伝えても、男の子のお母さんは、

「~~くん、~~ちゃんは用事があるんだって」などと言ってのらりくらり。

そのお母さんが言っていた「叱らない子育て」とは何なんだ!と思っていました。

 

小学校に上がり、男女差もありあまり遊ばなくなったと感じていたころ起こりました。

我が子は同学年のそのお友だちとはあまり話すこともしなくなりましたが、その弟くんとは仲良しでした。一人っ子だからでしょうか、我が子は年下の子をお世話するのが大好きです。

 

ある時、公園遊びの砂場で一年生の弟くんとそのお友だちと遊んでいました。一年生の二人がお母さん二人に「そろそろ帰るよ」と言われ、帰ることになり、我が子はそこに誘われたそうです。

 

「~~ちゃんも送ってあげるから一緒に行こう」と言われ、我が子はよく知っているお友だちのお母さんなので一緒に行ってしまいました。

その日は、私も公園にいたのに…

 

私は、普段から子どもに「必ず公園から出ないで待っていてね」と伝えているのに、我が子はそれを忘れていってしまったのです。

発達ゆっくりさんだし、長い目で見て…と根気よく教えていましたが、

その時は、心配のあまり穏やかにとはいきませんでした。

 

私は、勝手に帰ったことを知りませんでした。

我が子も連れて帰ったお母さん方も私が公園にいたことは知っているのに、一言もなかったのです。

 

ふと気づくと、我が子は見当たらず、何人かのお友だちに聞くと、

「さっきまでいたのに、いないの?」と言って、一緒に探してくれました。

 

上段下段と別れている公園で、お互いに回っていたらわからないから

と子どもたちに言われ、一人が立って見ていてくれ、何週かしてみたが見当たらない。

同じ日に学校から変質者情報も回っていて、悪いことしか考えられなくなりました。

こういう時は焦っているので、落ち着かないとと自分に言い聞かせます。

 

一緒に探してくれたお友だちに「大丈夫だから心配しないでね」と伝え、

いったん家に向かいましたが、家にも帰っていませんでした。

帰ったところで鍵がないので、近くにいるかもと町内を走り、くたくたでした。

 

家の前で座り込んで待っていると、子どもの声がしました。

一年生二人とそのお母さん二人とおしゃべりしながら歩いています。

 

「あら~、鍵がないっていうからお散歩してみててあげたのよ」と言われました。

言葉が出ませんでした。

 

この時私は、家のドアを閉めたと同時に、声を荒げました。

外も真っ暗で、自分への腹立たしさと子どもへの心配が大きく、顔を見た瞬間にホッとしていろんな感情が混ざって叱りました。

 

子どもとは、冷静になった後話し合い、

お母さんが公園にいるのに何も言わないで公園を出たこと

いつも約束をしていることがなぜ守れなかったのか

どうしてお母さんが大きな声で叱ったのか

などを、話しました。

 

私たち親子は、話し合った結果お互いに理解して、子どもは約束を守ることを再確認し、私は大きな声で叱ったことを謝りました。これで、我が家の中では終わりです。

 

しかし、次の日に連れて帰ってきたお母さんの一人(幼稚園から一緒だった方)が連絡もなく訪ねてきました。

 

そこで言われた言葉が、

「叱っちゃだめよ~、昨日、~~ちゃんに怒ってたでしょ」

でした。

 

そういえばこのお母さん、以前に「叱らない教育が大切」とか「優しい母でいたいの」とか言ってたな~と思い出しました。

 

後日我が子に「~~くんとはあまり遊ばなくなったね」と聞くと、

「気持ち悪いから、大嫌い」という返事。

尋常じゃない言い方に、よく聞いてみると、

お友だちに迷惑がかかってもやりたい放題だし、何度先生に言われても女子トイレに寝転んでいて気持ち悪い…

子どもなりにいろいろ思うことがあるようです。

 

私の本音は、我が子も我が子ですが、お母さん方二人に一番腹が立っていたのです。

そのうえ、叱らない教育のレクチャーをされて、驚きました。

彼女は、「叱らない子育て」をその言葉の通り「叱ってはいけない」というところだけを大切にして履き違えているのだと思いました。

 

全く叱らないことは大変な忍耐が必要で、それを続けていることにある意味「すごい」と思いますが、「叱らない」だけではうまくはいかないのではないでしょうか。