ほかの人の苦しみや悲しみに対して理解しようと感情移入をしてしまい、自身の精神的負担が大きくなり心身が疲労状態になってしまうことを共感性疲労といいます。
悲しいニュースを聞いたり、戦争や自然災害でつらい思いをされている映像を見たりして、自身の心が苦しくなったり辛くなることなどがあります。
そのほか、日常生活や仕事で他人の話を聞いたり、相手に寄り添ったりすることで自分のエネルギーを消耗してしまいます。
そのような経験はありませんか?
共感性疲労の兆候は、
- 精神的な負担が大きくなるため疲れやすくなります。集中力が低下し疲れが取れにくくなります。
- 感情の起伏が大きくなり、落ち込んだりイライラすることが出てきます。
- 自己犠牲的な行動が増えます。
実際の症状は、
- 身体がだるい、食欲がない、あたまが痛い
- 寝つきが悪い、熟睡できない
- すぐにおちこんだり、少しのことでイライラしたりする
- 好きなことが楽しめなくなる、仕事やお出かけが面倒になる
- 自信を持てなくなる
共感性疲労を引き起こしやすい人の特徴は、繊細で感受性が強い人や他人に気を遣いすぎる人です。
共感した相手の話を聞いて自分の体験を思い出したりすることがあります。
しかし、あくまでも相手の話であって自身の事ではないと意識して話を聞くようにしないと心の負担が重くなります。
そして、自分よりも他人を優先し思いやりを持ちすぎていると、必要以上に相手のことを考えてしまいます。こういった場合も自分にできる範囲のことで助けていくという姿勢を保つことが大切です。
共感性疲労を防ぐには、2つの共感のバランスをとることが重要です。
共感には情動的共感と認知的共感があり、情動的共感は相手の感情を自分の感情のように感じることです。それに対し、認知的共感は相手がなぜそのように思っているのだろうと感情を理解しようとすることです。
情動的共感が強すぎると共感性疲労になりやすいので、一歩引いて話を聞くようにすることが必要です。
もう一つ大切なことは、相手のすべてを理解しようとしてはいけないということです。
相手と自分は違う人なのだと意識して、自分が相手の立場だったらどう思うだろうと冷静に考えることで距離を保つことができます。
世の中では様々なことが起こります。
特に、小さな子どもから成人年齢近くのおとなに近づいた若者、どんな年齢であっても若い人が悲しい現実に遭遇してしまい、命を落とすことには毎回心が痛みます。
どうして命を落とすことになってしまったのだろう
どんな人生を送っていたのだろう
家族や大切な人々はこれから立ち直れるのだろうか
考えたらきりがありません。
私自身も共感性疲労に陥ることが多く、この共感性疲労という言葉を知る前は少し悩んでいました。
なぜ、こんなに他人のことを心配しているのだろうと気付けば小学生のころから考えています。
性格や育った環境などで形成されていったのかなと大人になってから知りました。
共感性疲労を知ってから対処法を身に着け、少しは回避できるようになりました。
私は心理カウンセラーさんや心療内科での受診まではしたことがないのですが、疲れがひどい方はそういった方法も効果的のようです。